茶道男子ブログ

Since 2010.5.15 茶道サークルです。

2013年 1月 5日の初釜

お正月気分の余韻を感じながら、早々に「初釜」をしました。
軽い食事をいただき、お酒もチョッピリいただき、お茶を堪能した、3時間の「初釜」でした。

軸は「青松寿色多」。先々代家元の書です。繊細な先代に比べて、男性的な手です。当代の手に近いです。表装は、奥村 吉兵衛(おくむら きちべえ)です。




花は、初春の趣で、「水仙」と「梅」です。花入は萩焼です。




さて、「初釜」は夕方19時からスタートしました。
手燭の和蝋燭に灯りを点し、始まり始まりです。

掛け軸を拝見するときには、画像のように手燭の取っ手とは逆方向を持ち、暗闇で「書かれた字」を拝見します。紙でできている軸から、火を遠ざけるための作法です。

通常は、このように持ちます。


点心は、「なだ万」のお弁当です。




「お屠蘇」です。
「お屠蘇」を正月に飲むことは、唐の博士 蘇明(そうめい)が、薬として嵯峨天皇に献上した「屠蘇白散(とそさん)」を、嵯峨天皇が元旦の「四方拝 しほうはい」の儀式のとき御酒に浸したものを用いられたのが、由来らしいです。


今年の主菓子は、「葩餅(はなびらもち)」でした。



いよいよ、濃茶の始まりです。
年に数回拝見できる、貴重な先生のお点前です。
蝋燭の灯りに、柄杓を鏡に構えた先生の影が壁に揺れていました。

茶を茶碗に出しているところです。管理人はこの、茶が茶入から瀧となって雪崩出る光景が好きです。



熱いお湯を茶碗に注ぎます。




そして、茶が練られます。




再び加減を見ながらお湯が注がれます。



濃茶が終わると「続きお薄」となりました。


「薄茶」のお菓子です。牛蒡と蓮根の砂糖漬けです。風味もしっかり残っていました。


「薄茶」を先生が点てているところです。



さて、「初釜」のお道具の紹介です。
全て、先生がお持ちになったものです。


白磁 南宋時代(1127〜1279)の作品。管理人は、知ったかぶって、「室町時代ぐらいの作品ですね」と鼻腔を拡げて声高らかに言っていましたが、平安末期から鎌倉時代にかけての茶碗でした。素敵な茶碗でしたよ。コンテンポラリーアートのようで。


出し袱紗は、吉祥草 (きちじょうそう)の柄。土田友湖作です。完全完璧な縫製でした。
さすがです。

 

「茶入」は膳所焼 銘「山路」先代家元の箱書き。仕覆は、大内間道。




平棗は、輪島の前端 雅峯(まえはた がほう)の塗り。鳳凰の絵柄です。




茶杓は、先生が削られたもの。銘「瑞雲」節から下は、鈍色で、曙に紫だちたる横雲の趣でした。




「蓋置」衝羽根。フォルムといい色合いといい、質感といい、申し分のないお道具です。




こうして、先生がお大事になさっているお道具の拝見が終わったその瞬間に、「ジィーッ」と、蝋燭の灯が消え、曲線の煙がたちました。


「初釜」終了後、いつものお茶会です。
女子会なんて、比べられないほどの、会話の行き来。
先生が差し入れてくれたケーキが、会話の華やぎに潤いを・・・・・・・、ケーキのバターが唇を滑らかにした、って感じでしょうか。。。。。。。しかしこの川口「シャンドワゾー」製のケーキは、厚化粧した往年の大女優のように思えてなりません。ヴィスコンティーの映画のように、どうしても見えてしまいます。
大女優だけに、唸らせるほど、美味しいのです。