管理人は、ずっと、濃茶は高価な茶、薄茶は安価な茶、とだけ認識していました。
実際その金額は、その通りなのですが、もっと深い意味があることを先生から教わりました。
抹茶は、お茶の木の葉っぱから、葉脈を取り除いた葉肉を粉末にしたものです。
そのお茶の木は、葦簀(よしず)などで覆われて育ちます。
一般のお茶のように、太陽をサンサンと浴びて育つわけではないのですねぇ。
被覆栽培(ひふくさいばい)されると、不健康でひ弱なお茶に育つわけですが、その分、苦味の少ない甘味の強いお茶に育つのらしいのです。
管理人は、この茶の話に限らず、人工的で作為的な話しを耳にするたびに纏足や宦官やカストラートを思い浮かべます。甘く蠱惑的で危険な匂いがしませんか?
さて濃茶と薄茶の話に戻りますね。
濃茶は樹齢30年以上(多くは70年〜100年)の新芽先、薄茶は樹齢15年の新芽を使うのだそうです。考えてみれば、高価な木とか安価な木とかあるわけないですよね。人と一緒です。
ところで、管理人は年齢を重ねるたびに、濃茶よりも薄茶のほうを好むようになりました。
濃茶の重厚で沈鬱な味より、薄茶の爽やかで清冽な味が好きになってきたのです。薄茶はキリッとした美少年のようです。
軸:雛の絵 狩野永輝 画
花:藪椿・菜の花・雪柳
割稽古 y3
薄茶 y3 s1 k1
濃茶 h1 正客k1 詰s1
花入は備前。久本浩一作。
y2さんの差し入れの「菱おこし」です。
ちなみに菱とは池沼に自生する水草で、その種子からとった菱粉で菱餅を昔は作っていたそうです。
あの独特の形は、菱の種子の形です。
菱の繁殖力にあやかっての形だそうです。
この菱餅を雛に飾るようになったのは江戸時代からだそうです。
赤には山梔子(クチナシ)を、白には菱を、緑のは蓬を使って着色したそうです。
また管理人の大好きな室町将軍家・・・ロマンを感じちゃう(^O^)・・・が正月に食べていた餅にいわれがあるとも言われています。
とにかく風習は様々な要因が重なって培われたものですよね。
この醍醐窯の交趾の蓋物には、可愛らしい洋菓子が入っていました。
先生の心憎い演出に脱帽です。