茶道男子ブログ

Since 2010.5.15 茶道サークルです。

2013年 4月 20日のお稽古記録

軸:萬里無片雲 斗南書
雨混じりの寒い日でしたが、五月の空に思いを馳せて、掛けてみました。しかし、穀雨にしては、冷たい雨でしたね。



香合:舟を漕ぐ絵柄です。





花:藤。 k1さんが入れました。
藤の蔓の曲線がいい感じでした。k1さん、素敵に入ってましたよ。
それに、藤って綺麗な花ですね。k1さんのおかげで、藤の良さに気づきました。




井伊宗観(直弼のことです)好みの薄茶器で、『面中次 メンナカツギ』と言う形です。『郭公に卯の花』の絵柄です。
安政の大獄の男です。
桜田門で暗殺された男です。
強烈な個性を持っていた男だと思います。
そしてこれがその男の、繊細な一面です。
面中次は、『杉形 スギナリ』に抹茶を入れます。

かつて大河ドラマで、杉良太郎のやった井伊直弼が忘れられません。適役でした。

大河ドラマと言えば、『八重の桜』の、松平容保役の綾野剛は素敵です。昨晩の放映されたシーンも、相当勉強した後が、伺えました。微妙な猫背加減まで、研究しての演技ではないかと読んでいます。
努力家、勉強家の男には、魅力がありますね。
松平容保の実物も、似た顔していました。綾野剛ほどいい男ではないですが。

孝明天皇と容保は、どの程度の親密度があったのか、昔から気になってました。しかし、NHKはいい役者を、探し出したと思います。

薄茶器の蓋裏には、立花大亀の花押が描かれています。立花大亀は、大徳寺435世です。箱に、『紫野 大亀 ムラサキノ ダイキ』と書いてあるのが分かりますか?
紫野』とは、大徳寺の別名です。1325年に大燈国師によって、京都洛北紫野の地に、大徳寺は開かれました。『紫野』と言う言葉は、茶道ではよく使われるので覚えましょうね。
後醍醐天皇の影が強い大徳寺でしたので、室町幕府から疎んぜられ、五山十刹から外されています。
五山は、室町幕府との長年に渡る蜜月によって世俗化し、学問のための学問、美のための美と、衒学的な色彩を帯びていきました。つまり、上目目線の寺になってしまったのです。
ところが、主流から外された(これを『林下 リンカ』といいます)大徳寺には、禅の精神性(管理人はこの精神性って言葉があまり好きではないですが・・・・・・)が残り、またタカピーではなかったので、新興の戦国大名とは相性がピッタリでした。そして戦国大名のトレンディーカルチャーであった『茶』が、禅寺の精神性と都合良くマッチしていったのです。ですからあくまで個人的な見方ですが、取りようによっては、茶の禅的な精神性こじつけに近いかもしれないと管理人は思っています。
『もてなし』や『思いやり』の美学、あるいはそれを身に付ける勉強とシンプルに言ったほうが、管理人にはシックリきます。
それはさておき、利休の、大徳寺山門(三門)事件に至る『紫野』と『茶』の絵巻物の紐は、このように解かれたのです。
『茶道』と『紫野』は、深い関わりがあるので、大徳寺の和尚(オショウと読むのは禅宗と浄土宗だけです)さんの書がよく床に掛けられます。


割稽古 k3 a1
薄茶 k1  y1 y2 k2 h1  
濃茶 s1 正客k1 詰h1


お薄の菓子です。




主菓子。『糸遊 イトユウ』。『糸遊』とは、陽炎のことらしいです。



先生の彼氏が、『豚汁』を差し入れしてくださいました。
お稽古の後に、いただきました。
コンニョクがスプーンで切ってあって、具材の隅々まで味が染み込んでいました。また、個々の材料の歯ごたえも絶妙でした。
とっても美味しかったです。
ありがとうございました。