茶道男子ブログ

Since 2010.5.15 茶道サークルです。

2013年 10月19日のお稽古の記録

現在、私たちがイメージしているお茶会などの『お茶』は、
『ワビ茶』と言われている形式の延長線上にあります。
この『ワビ茶』は、村田珠光が考え出し、その100年ぐらい後に千利休が完成させたものです。
つまり、『A』を『A´』にしたのが千利休です。

こんなことを経験したことはないですか?
あなたが、仕事で何かの資料を作った。
その資料を誰かが見た。
そして見た誰かが、あなたの資料を作り変えた。
その作り変えられた資料は、あなたの作った資料をベースに工夫して作ったので、より優れている。
でも、そもそもの資料を作ったあなたの才能と能力の方が、真似て工夫した誰かより優れているのは確か。
もう、言いたいことはお分かりですよね。

ただ、真似をした千利休と言う人が、凄いセンスを持っていました。
それも確かです。
『利休形』と言われてモノを見ていると、それがよく分かります。
あまりにセンスが良過ぎるので、『ワビ茶』と言えば利休となってしまいました。
本当を言えば、村田珠光の偉大さを、もっと讃えてもいいのではないかと思うのです。

さて、「センスがいいねぇ」って褒め言葉がありますよね。
管理人は、茶道具や美術品を抱き眺めているうちに、
「センスがいいね」のポイントとは何かが、おぼろげに見えてきました。
どうも『色 カラー』では、ないようです。『色 カラー』もセンスには欠かせませんけども。
『形 フォルム』も、違うようです。『形 フォルム』もセンスには欠かせませんよね。
でもセンスの善し悪しにとって一番のポイントは、『寸法 サイズ』ではないかと思うのです。
寸法ですから、バランスも含まれますよね。
絶妙な寸法感覚を持っている人、それがセンスのいい人のことではないかと思うのです。
利休の作ったモノは、1mmでもこれ以上大きくても小さくてもダメと言ったモノばかりです。
本当に、凄い人です。

日本には畳を言う、決まった寸法の敷物が住空間に欠かせません。
利休は、この畳と言う普遍的で絶対的な尺度を使って、美に惑溺できる空間を作りあげた人です。



今回も、『名残の月』で『中置』のお点前のお稽古でした。

薄茶(中置)y1 s1 k1  k2 k3  n1 h1
濃茶 y2 正客 h1 詰 s1



花:ホトトギス紫式部・照り葉。
今回は、管理人が入れてみました。



『刷毛目茶碗』に金継がなされているお茶碗です。
先生がご持参されました。




『楓』の染付の蓋置です。
先生がご持参されました。





拭き漆の欅の棗です。
蓋裏に楓の蒔絵が施されています。
これも先生のお道具です。






お薄のお菓子は、両口屋是清の『吹き寄せ』と、香川の、ばいこう堂の『さぬき和三盆』です。






主菓子は、両口屋是清『峰のもみじ』。
栞に、下のような和歌が記載されていました。

薄霧の 立ち舞う山の もみぢ葉は
    さやかならねど それと見えけり 高倉院 『新古今』